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犬の短頭種気道症候群(BOAS)|いびきや呼吸の異常|大津院

2026.06.17

「いびきが大きい」は短頭種だから仕方ないと思っていませんか?

フレンチブルドッグやパグなどの短頭種では、

  • いびきが大きい
  • ガーガーと呼吸音がする
  • 暑さに弱い
  • 散歩ですぐ疲れる

といった様子がみられることがあります。
そのため、「この犬種なら普通ですよね」と言われることも少なくありません。

しかし、それらの症状は単なる犬種の特徴ではなく、短頭種気道症候群(BOAS)という病気が関係している可能性があります。
短頭種気道症候群は、呼吸の通り道が狭くなることで慢性的な呼吸障害を起こす病気です。

 

症状が進行すると、

  • 熱中症
  • 呼吸困難
  • チアノーゼ
  • 失神

などにつながることもあります。
エルム動物病院では、短頭種気道症候群の診断・治療を行っています。

 

こんな症状はありませんか?


以下のような症状がある場合は、一度ご相談ください。

  • いびきが大きい
  • 起きている時もガーガー音がする
  • 興奮すると呼吸が苦しそうになる
  • 暑さに弱い
  • 散歩ですぐ疲れる
  • 口を開けて呼吸することが多い
  • 舌が紫色になることがある
  • 呼吸が止まりそうに見える
  • 失神したことがある

 

特に、

  • フレンチブルドッグ
  • パグ
  • ボストンテリア
  • ペキニーズ
  • シーズー

などの短頭種では注意が必要です。

短頭種気道症候群とは?


短頭種気道症候群(BOAS:Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome)は、短頭種にみられる呼吸器疾患の総称です。

短頭種は顔の骨格が短く改良されてきました。

一方で、

  • 軟口蓋
  • 舌
  • 咽頭組織

などの軟部組織は通常犬種と同程度の大きさがあります。

 

その結果、「空気の通り道に対して組織が多すぎる状態」となり、呼吸がしづらくなってしまいます。呼吸をするたびに気道へ負担がかかるため、時間の経過とともに症状が悪化していくこともあります。

 

短頭種気道症候群でよくみられる異常


■軟口蓋過長症

軟口蓋とは、のどの奥にある柔らかい組織です。
短頭種では軟口蓋が長く伸びていることがあり、気道の入り口を塞いでしまいます。

その結果、

  • いびき
  • ガーガー音
  • 呼吸困難

の原因になります。
今回ご紹介する症例も、この軟口蓋過長症が主な原因でした。

■外鼻孔狭窄

鼻の穴が生まれつき狭く、空気を吸い込みにくい状態です。
常に強い力で呼吸をしなければならないため、気道への負担が大きくなります。

■喉頭小嚢外転

長期間呼吸に負担がかかることで、喉頭周辺の組織が気道内へ引き込まれてしまう状態です。
進行すると症状がさらに悪化することがあります。

 

放置するとどうなる?


短頭種気道症候群は、「いびきがうるさいだけ」の病気ではありません。

呼吸のたびに大きな負荷がかかるため、

  • 運動を嫌がる
  • 熱中症になりやすくなる
  • 呼吸困難
  • チアノーゼ
  • 失神

などを引き起こすことがあります。

また、長期間呼吸に負担がかかることで、喉頭周囲の組織にも変化が起こり、さらに呼吸が苦しくなる悪循環に陥ることがあります。そのため、症状が軽いうちから評価・治療を行うことが重要です。

 

エルム動物病院の短頭種気道症候群治療


■呼吸状態を詳しく評価

まずは症状や呼吸状態を確認します。
必要に応じて、

  • 鼻孔
  • 軟口蓋
  • 喉頭
  • 気管

などを評価し、どこで呼吸障害が起きているかを確認します。

 

■動物麻酔技能認定医による麻酔管理

短頭種の手術では麻酔管理が非常に重要です。短頭種はもともと気道が狭く、麻酔時にも慎重な管理が必要になります。

当院には動物麻酔技能認定医が在籍しており、

  • 術前評価
  • 麻酔計画
  • 手術中のモニタリング
  • 術後管理

まで安全性に配慮して行っています。

 

■軟口蓋切除術

軟口蓋過長症に対しては、余分な軟口蓋を切除し、空気の通り道を広げます。
呼吸の通り道を確保することで、

  • 呼吸音の軽減
  • 呼吸のしやすさ改善
  • 運動耐性の向上
  • 熱中症リスクの軽減

が期待できます。

 

症例紹介|軟口蓋切除術


手術前

軟口蓋切除①

軟口蓋が長く伸び、気道の入り口を覆っている状態です。
空気の通り道が狭くなり、呼吸に大きな負担がかかっています。

↓

手術中

軟口蓋切除② 軟口蓋切除③

軟口蓋を引っ張り出し、余分な軟口蓋を慎重に切除します。
切除量が少なすぎても多すぎても問題となるため、解剖学的構造を確認しながら手術を行います。

↓

手術後

軟口蓋切除④

軟口蓋による閉塞が改善し、気道の入り口がしっかり確認できるようになりました。
空気の通り道が広がり、呼吸状態の改善が期待できます。

 

 

よくある質問


Q. フレンチブルドッグなどの短頭種はいびきをかくのが普通ではないのですか?

フレンチブルドッグやパグなどの短頭種ではいびきをかく子が多いため、「犬種の特徴だから仕方ない」と思われることがあります。しかし、強いいびきやガーガーという呼吸音は、短頭種気道症候群のサインである場合があります。特に、起きている時にも呼吸音がする場合は注意が必要です。

 

Q. どのくらいの症状になったら手術を検討した方が良いですか?

呼吸困難や失神など重度の症状が出てからではなく、比較的軽い段階での相談をおすすめしています。症状が進行すると気道の変形がさらに進み、治療が難しくなる場合があります。

 

Q. 若いうちに手術した方が良いのでしょうか?

一般的には、症状が進行する前の若いうちに治療する方が良いと考えられています。長期間にわたって気道へ負担がかかると、喉頭小嚢外転や喉頭虚脱などの二次的な変化が起こることがあります。

 

Q. 軟口蓋切除術はどのような手術ですか?

長く伸びた軟口蓋を適切な長さに整え、空気の通り道を広げる手術です。短頭種気道症候群の治療として広く行われている手術で、多くの症例で呼吸状態の改善が期待できます。

 

Q. 手術でいびきは完全になくなりますか?

症状の程度によります。多くの症例で呼吸音の改善が期待できますが、完全に無音になるとは限りません。ただし、「以前より呼吸が楽そうになった」と感じられるケースは多くあります。

 

Q. 手術にはどのようなリスクがありますか?

どの手術にもリスクはあります。特に短頭種は気道が狭いため、麻酔管理が非常に重要です。当院では麻酔認定医が在籍しており、術前評価から術後管理まで慎重に行っています。

 

Q. パグやボストンテリアでも同じ病気になりますか?

はい。
フレンチブルドッグだけでなく、

  • パグ
  • ボストンテリア
  • ペキニーズ
  • シーズー

などの短頭種でもみられる病気です。

 

まとめ


短頭種気道症候群は、短頭種に多くみられる呼吸器疾患です。

「この犬種だから仕方ない」と思われがちな、いびきや呼吸音も、実は治療できる病気が隠れていることがあります。

フレンチブルドッグやパグなどで、

  • 呼吸音が大きい
  • 暑さに弱い
  • 運動すると苦しそう

といった症状がある場合は、お気軽にエルム動物病院(草津市/大津市)までご相談ください。

 

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